旬の生鮮食材以外の基本素材         .

当店が使っている基本素材のページです。


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     自家製パーネ・カラサウ
サルディニアの一地方のパンです。イタリアには地方色豊かな様々なパンがあります。
トリノのパンである皆さんご存知のグリッシーニもその一つです。
画像でわかるようにクレープをパリパリに焼いたような形をしています。
もともとは羊飼いの携帯用のパンなんだそうです。ですので1週間くらいぜんぜん
大丈夫なんです。

さてお勧めの食べ方は
1:軽く岩塩とオリーブオイルを振り 煎って食べます。

2:温かな食塩水かブロード(ヴィヨン)にさっと漬けて少しふやけたカラサウをお皿において
  トマトソースとペコリーナ・ロマーニョ(チーズ)を掛けていただきます。

3:2をもう一度繰り返しつくり前回のものに重ねます。
    これにポーチドエッグ乗っけると「パーネ・フラタウ」となります。





Formaggioフォルマッジオ(チーズ)
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上がParmigiano Reggianoパルミジァーノ レッジャーノ
イタリアを代表するチーズのひとつですね。イタリアチーズの王様とも呼ばれています。
イタリアには各地方に自慢のチーズがあり みな自分の所の物が世界一って譲らないのですが
パルミジャーノだけは「あっ あれは美味しいね」って認めます。
名前の由来は地名からきており、パルマ、 レッジョ・エミリア、
モデナなどのエミリア・ロマーニャ地方で作られ、DOPの認定を受けたものだけが名乗ることを
許されます。そしてこの地方ではお金を借りるときの担保としても使えます。
銀行には担保としてのこのチーズを保管する専門の倉庫と人員を備えているのです。


 下がGorgonzolaゴルゴンゾーラ
ロンバルディア州とピエモンテ州をまたがる地域で生産されています。
 此れもまた イタリアの代表的なチーズのひとつです。
フランスのロックフォール、イギリスのスティルトンと共に世界三大
ブルーチーズとして有名ですね。このゴルゴンゾーラは
ピカンテとドルチェがありスーパーや食材問屋ではほとんどピカンテ
しか見ることがないようです。
「ピカンテ」はかなりしょっぱいのですが
深いこくと強いフレーバーを持っていますが塩分調整が欠かせません。
其れゆえスパゲッティに合わせるとソースが強すぎますので
ペンネの方が相性が好いようですよ。

「ドルチェ」は塩分控えめでそのままでも食することができます。
フレーバーも優しく必ずしもペンネでなくともスパゲッティでもフィットします。
そんな理由で当店ではドルチェを使っています。


スモークサーモン

燻煙が充満したスモーカーの様子
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手作りのスモーカー
パソコンの入っていたダンボールを利用して温度計やガラス板を取り付けて簡易なスモーカーを作りました。
調理用の金串や焼き網なども格好な素材となりますのでお店にあったものだけで出来てしまいます。

*   このダンボール製のスモーカーは使ったのは一回きりで現在使っているのは
ショウケース(ガラスで囲まれているドリンクなどを冷やしておく冷蔵庫)
をリサイクルしたものを使っています。この方がはるかに容量が大きく温度が
安定して管理が容易だからです。


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スモークサーモンは燻製の中でも低温で処理する冷燻の部類に入っていますので
30℃以上にあげられません。
自分の中での理想では8〜18℃以下で処理したいと思っていますので外気温が10℃以下で
あって欲しいです。

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素材はノルウェー産のお刺身用サーモンの一本ものを使っています。
生でいただくものなので出来るだけ素材は
良いものをつかいたいものです。そうすると市販品よりもコスト高になりますが良しとします。
ソミュール液に14時間、燻煙に12時間かかります。非常に時間がかかりますが、其の分の
 返りが期待できます。

燻製は世界中で見られわが国でも鰹節を作る時に使われていますね。
其の期限は相当古いらしく私の聞いたところでは古代ローマで煙で処理する料理法が
盛んにおこなわれていて
一方でゲルマンの人たちはお肉を塩蔵することを盛んにおこなっていたらしく、ローマの遠征が
始まることで二つの技術が融合して現在のような燻製の調理法が確立したのだとか・・・

南の島々の人々(ミクロネシアなど)は今も(昔から)沖に出てすぐに帰れないときは
小船の上で魚を処理してすぐに燻煙しているようですよ。




アッラ・ガルム(魚醤)
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その起源は多分古代ギリシャかも?    それがイタリアに伝わって古代ローマ時代

には主な調味料だったらしいです。

まだ、そのころのイタリアにはトマトが無かったのでトマトが南米から伝わり品種改良

が進むまでかなり重要な役割を果していたらしいです。

しかし現在では産地以外ではさほど使われているのを見ません。

産地は南イタリアのリゾート地。   昨年日本映画のロケ地として有名

になったことで日本でも知られるようになった

アマルフィ海岸沿いの小さな漁師町チェターラです。この町の特産品

「コラトゥーラ・ディ・アリーチ」として販売されています。

日本国内でのおおよその価格は¥2000〜¥4000くらいです。






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世界一と賞されるカンボジアのブラックペッパー
中世から、60年代まで「世界一おいしい」と称されてきたカンボジアのペッパーですが、アノ忌まわしい内戦
により生産は激減してしまいました。なぜって大事な作り手をなくしてしまったからです。
しかしある一人の日本人の手により今、いにしえの時代より伝わっていた伝統的な自然農法を
お年寄りや現地の人々とともにおこない、もう一度「世界一美味しい」と呼ばれるペッパーを目指し
こだわりのコショウを栽培しているのです。
価格はかなり 高価ですが、通常の6〜8倍、
その香りはフルーティーで持続性のある辛味が特徴のようです。
当店では「砕きコショウとパルミジャーノ」に使いたいと考えています。



自家製カラブリア風パンチェッタ
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パンチャを直訳するとお腹になります。つまりパンチェッタとはお腹の部位のお肉のことです。
ようはばら肉のことなんですが、これを塩でまぶして水分を飛ばしつつ熟成させたもののlことです。
当店のものはカラブリア風のパンチェッタを仕込んでいます。使えるようになるには
3〜4週間かかります。カルボナーラやアマトリチァーナなんかにいいですよ。
しかし現在思うところがあり仕込んでいません。


カラマタオリーブ
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画面下方の細長い紫色のオリーブがカラマタです。

カラマタオリーブはギリシャのカラマタ地方で生産されるヨーロッパで最も人気の高い

オリーブのひとつなんです。樹上で自然完熟したものだけを摘み取って食塩水中で

じっくりと発酵熟成させて赤ワインビネガーで味付けします。そんなわけで

価格的には結構高めかな!

ちなみに通常のオリーブの瓶詰めでは渋抜きをしてから食塩水に漬けます。

発酵させたり熟成させたりワインビネガーで味付けしたりしません。





Sale (サーレ) 塩

当店では今7,8種類の塩

を使っています。下はシチリアの塩田で作られた海塩です。写真のようにタブレット

状に押し固められたものもあります。つまり量らなくらなくてもいいようになっているということです。


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下の写真はNatural Lake Saltoと書いてありますが文字通り全くの自然の力

だけで造られた塩です。つまり雨が降って湖となったその湖が乾季になり水が全て

蒸発してしまうと湖底には自然に塩の層が出来上がりそれをただ削り取ったもの。

まさに自然が造りだす塩に他なりません。当店ではパスタを茹でるのに使っている塩です
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一口に塩と言ってもほんとに様々な条件の下で存在したり、つくられたりしているので

その性質も又一様ではありません。

下はアメリカのソルトレイク市産出の岩塩です。アメリカのシェフたちに選ばれて

チャンピョンとなった塩です。マグネシウムやマンガン等のミネラル成分を

タップリ含んでいるためちょっと小豆色がかっています。

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肉や野菜に使っています。

カルパッチョなどのお魚にはふしぎに岩塩よりも海塩が会うので国産やフランス産

イタリア産の海塩を使っています。



Acciugheアッチュウゲ(アンチョビ)  とCapperoカッペロ(ケーパー)

それからアンチョビは缶詰のほかに瓶詰め

のものを使っています。他の素材に関しても言えることですが缶詰より瓶詰めの方が状態

がいいようです。下左がアンチョビで右が塩漬けのケーパーで塩抜きして使います。

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この塩漬けのケーパーはシチリア産で酢漬けのものよりそのままの風味を楽しむことが出来ます。



パスタ

当店のメーンパスタはディチェコです。そのほかソースによってはラティーニや

セタロなどを特別にスポット的に使っています。

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左側が通常の麺  中央がディチェコ  右側がラティーニ

通常の麺はテフロンの口金で造ったつるつるの麺で「リシャ」と呼ばれるものです。

ディチェコはブロンズの口金で造られ「ルビダ」」と呼ばれています。そのため通常の

ものより白っぽく見え表面がザラザラしてソースの絡みがよいのです。しかし

右側のラティーニは遙かにざらついていて色はほとんど白にみえます。

したがってソースの乗りはきわめてよいのです。アーリオ・オーリオなどの

オイルソースに向いています。

ディチェコ以外のグルメパスタ(僕が勝手に名づけました)

とはどんな「こだわり」をもっているのでしょうか。国産(イタリア産)小麦100パーセント

なんてのは当たり前、 更に

* 生産性は低いがたんぱく質の含有量が多く美味しい品種を使う    .

* 化学肥料、農薬は一切使わず・・・水は湧き水にこだわる        .

* 300年前の製法をいまだに受け継ぎつくりつづけている。        .

* 古代小麦(ローマ時代のパン作りに使われていた)を使っている。  .

* 機械化に背をむけ気候風土の適した土地で造りつづける。      .

などなど、だいたい小規模コダワリ製作というのはイタリア人の

特に得意とする分野ですので・・・もちろん

お値段のほうもいいですよ

日本で市販されているスパゲッティは国産ですと100g20〜36円

くらいでしょか?   

一方イタリア製でスーパーでは高い方のディチェコで40〜60円くらいかと。

一方こだわりの麺はと言うと、高いものは100g200円とかします。

こういうものは一部のグルメファンとか一部のレストランとか特別階級の

人たちに指示されているようです。

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セタロとは実はある伝統的パスタ作りをする一族の名前です。

その前にまずTorre Annunziata(トッレ・アヌンゼィアータ)という村について

言及しなければならないかもしれません。この村は南イタリア ナポリ近郊

に位置し16世紀以降パスタ生産の中心地として栄えました。そのわけは

皆さんご存知の名前ベスビオ火山からの吹き降ろす風と海からの風がパスタの

乾燥に重要な役割をはたしていたからです。いつもそうなんですが生ハム

の生産地なんかをしらべるとやはり山からの風、海からの風が大きな役割

を果たしていることに気付きます。

食品の乾燥には気候風土の果たす役割が非常に大きいのです。

という訳で中世、この地には多くのパスタ製造

工房発祥の地というわけです。      

しかし時代が変わり機械による人工的乾燥で量産できることがわかると

交通アクセスのよりよい地方にほとんどのメーカーは移転して・・・・

結果的にもっとも製造環境に恵まれた、この地に残ったのはセタロ一族のみとなったの

です。又彼らは近代的製造方法に頼らずかたくなに伝統的な製法にこだわり、

厳選されたセモリナ粉と湧き水だけを使い時間を掛けて乾燥させます。

こうして彼らは300年来の変わらぬ味と食感を現在に伝えているという

ことです。


 サンマルツァーノ

当店では100%のサンマルツァーノを使っています。

全メニューがサンマルツァーノと言うことではなく
メニューによる使い分けをしています。たとえば煮込み料理などは通常の
ロマーノ種のトマト缶を使っています。


相当に高価ではありますが

一度その味を覚えるとやっぱり、他のものでは替えがたいですね。

この品種があったからこそスパゲッティが世界中に広まった

ともいわれているんです。

ところでサンマルツァーノってどんなトマトなんでしょうか?

それでは、ここからは劇場風な表現で・・・でもないか・・・・


もともとはあのポンペイを滅亡させたベスビオ火山の麓で育てられていた

甘み、酸味のバランスの良く取れた優良な品種でその名は広く世界中の、

もちろん日本でも良く知られたものでした。

そしてその名の由来はサンマルツァーノと言う村の名前だったのです。

ところがおよそ10数年前(?)トマトの疫病が広がりほとんど絶滅の危機に遭遇して

しまったのです。

しかしその後山を隔てたプーリア州での栽培が確認され絶滅を免れました。

カンパーニア州からプーリア州に産地を移したり

して対策を講じたのですがトマトをプーリアからカンパーニアに輸送する

過程でトマトが傷つき、あるいは潰れてうまくいきませんでした。なぜって

サンマルツァーノの果肉は柔らかかったからです。
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それと、ここが生産者にとって肝かもしれませんが、生産性が低かったのです

、ほかの品種に比べて。

そんなことでホールトマトの主原料は他の品種に移っていったのです。

たとえばディベンツァーノ、ロマーノといったようなものに・・・

ところがここからがオモシロイ話なんです。

何人もの日本人が産地を尋ねて「サンマルツァーノが食べたい」と

言ったんだそうです。中には本までたづさえて・・・・

結局通常価格の3〜4倍の価格で取引されることになりサンマルツァーノ

の生産が始ったのだそうです。こんなところで日本人がからんでいるなんてねえ〜

僕の知人のイタリア人も言っていたけど、(I giapponesi sono paura)

日本人ってつくづく恐ろしいね! こんなところまで来てね・・・

ところで現在当店では近郊の農家さんにサンマルツァーノの委託栽培

して頂いています。ですので収穫したトマトをソースにして瓶詰め

して冷凍庫1年分をストックしています。

缶詰を使うのはストックが無くなったときです。


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オイル

当店ではパスタソースに使うオイルはほぼ100%エクストラバージンオイルを使っています。

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それはソースとのなじみが良いからなのですが、

ところがパスタ以外のメニューの場面において  バージンオイル

は低温で固まりやすいのでつめたいまま使うソースに関してはピュアオイルを使っています。

あるいは長時間煮込んだり、焼いてすぐ捨てるような場合はサラダオイルをつかっています。

結果オイル全体の割合はエクストラ・バージンオイル80%  ピュア・オイル5%

サラダオイル15%くらいだと思います。


自家製oliosantオリオ・サント
オリジナルバージョン
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イタリアにもラー油のような辛味のついたオイルがあります。
たとえばボロネーゼなどにかけると・・・子供の食べ物が
大人の食べものに変わってしまうような印象があります。

(ただしタバスコは酸味と香りが強すぎてともするとイタリア料理を壊しかねないので
余りお勧めできません。それとイタリアンというより中南米のイメージが
強すぎます。)

本来は単純に辛味のついたオイルなんですが
今回は自分なりのブレンドを施し深みと香ばしさを付加しました。
どっちがいいという議論はさておき とりあえずお客様のよい反応が返っていますので
続ける事にしました。

たとえば    スパゲッティ・アッラ・ボロネーゼ
          スパゲッティ・アッラ・ポマドーロ
のようなシンプルなメニューには効果テキメンのように思います。

それと意外と酸化しやすいのでお客様のテーブルに常備するのではなく
常に冷蔵庫保存することにしました。




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